交通ルール

アメリカの道路は日本と逆の右側通行、初日は緊張で注意深く運転するが時間とともに慣れが出てきて、うっかり左側を走行してしまうこともある。

気をつけなければならないのは、車通りの多い道や、市内はもちろん、走行過程すべてであるが、、、
中でも特に気を付けなければならないのは、国立公園やハイウェーを降りたローカル道路だ。それは、交通量が少なかったり、時にはほとんど車がこない場合などつい緊張がほぐれ、日本の道路に慣れ親しんでいる体が知らぬ間に左側の斜線を走行させている。

車の場合はハンドル自体が逆なのですぐに気がつくが、バイクの場合は日本と異なる運転ポジションがないために、対向車が来て始めて気が付くことになる。

97年の大陸横断では、車通りの非常に少ない国立公園内で参加者1名が、フリー走行中に左斜線を走行、そして対向してきた大型バンと正面衝突、そして救急車で運ばれるという事故が発生している。このライダーは10代の息子を連れてのタンデムツーリングだったが、事故当日その息子は、他のライダーの後ろに便乗していたので事故を免れることができた、これも不幸中の幸いとも言える。

このように、アメリカでの走行に慣れてきた頃の気の緩みや、自由に走行できるといった解放感から、大切な走行ルールを忘れてしまっているのである。また彼はアメリカ大陸横断の最終地点ニューヨークまであと720キロというところでリタイヤとなった。

交通ルールは、たとえ国が変わったとしても”安全運転”が基本である。ただ異なるのは運転するドライバーの意識の違いかもしれない。 アメリカは日本と比べ非常に簡単に運転免許が取れてしまうので、運転技術的にはうまいとは言えないが、歩行者や、同じ道路を走行する他の車に対してのマナーでアメリカは優れている。

例をとると、信号機のない歩道や交差点を歩行者が渡ろうとすると、ピタリと車を止め歩行者の安全を優先する。歩行者が渡り切る前に少しでも車を動かしたものなら、ひんしゅくを受ける場合もあるので気を付けたい。

特に、子供が道を渡ろうと待っている場合は、たとえ車が優先する道路でも、ドライバーは窓から手を出して”渡りなさい”という合図を送る。もちろん車は停止している。

また、渋滞や何かの事故などで道が混んでいたとしても、窓を開け、入れてほしい合図をするだけで気持ち良く割り込みをさせてくれるなど、アメリカを訪れるライダー達はマナーの良さに感心させられるだろう。

この広大なアメリカをツーリングする場合には、急がず、焦らず、心に余裕を持った運転を心がけていただきたい。これら運転マナーは”学ぶより慣れろ”であり、みんなの道路を安全第一にシェアー(分け合う)と言うのが鉄則なのである。ついつい日頃の運転グセが出てしまうかもしれないが、2〜3日もすれば、すぐに慣れ親しんでくる。

以下、重要と思われる運転マナーを数点上げてみたい。
  • 斜線変更や、追い越し前後に急激に肩から入り進路の変更をしない。
  • 進路変更や追い越しは徐々に進路を変えスムーズな運転を心がける。
  • 割り込みは、気持ち良く入れてあげる。また逆に入れてくれた場合は手を上げて礼をしたい。
  • 一般道で歩行者が道を渡っていた場合は、停止、または遠方より徐行して安全をはかる。
  • たとえ、渋滞であっても道路端の路肩を走行しない。
  • 渋滞の車を縫うように追い越さない。
  • 緊急以外ハイウェーの路肩にはバイクを止めない。
  • 障害者用の駐車場は利用しない。
  • 先を急ぐ救急車などの後ろに付いて行かない。
  • 対面通交の道路で、黄色いスクールバスが停車しランプが赤やオレンジを点滅している場合は必ず後方、また対向する側からはバスの手前で完全に停止し子供達の安全をはかる。これは非常に重要なことである。

    そして、バスが点滅を停止したり、発進したら子供たちの安全に十分に配慮し自分も発進する。


  • また、広く、どこまでも続くハイウェーで、バイクの最高速にチャレンジしたがる日本人ライダーが多分にいるが、それらは、サーキットか、ヨーロッパのアウトバーンへ行ってやっていただきたい。

    その他、峠に入るとステップを地面にこすらせながら、コーナーを攻めたがるライダーもいるが、特にアメリカでは、私自身そのようなライダーを一度も見たことがない、だが、過去に当社のツアーでバージニアの国立公園内にあるワインディングで、1名のライダーがハーレーでトライし、急なカーブを曲がり切れずに路外へ転落したケースもある。この時は、通常あまり存在しないガードレールに 助けられ、崖下への転落を免れた非常にラッキーな事故である。

    別の章でも書いたことだが、自分勝手な行動や運転で、多くの人へ迷惑を及ぼすことになるのはもちろん、海外からの観光客やライダー達のマナーが問題となった場合は、法律の規制が厳しくされアメリカを自由にツーリングすることが出来なくなることも考えられる。

    アメリカを訪れるそれぞれの観光客やライダー達が責任と自覚をもって安全運転やマナーを守っていただきたいものである。 それはこのアメリカがいつまでも私達にとって”自由の国アメリカ”であってくれるように。


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